株式会社「コンパイル」をどれくらい知ってるか
今ではたくさんのゲーム機器も登場し、それに合わせて様々なジャンルのゲームがありますが、皆さんは「落ちモノパズル」と聞くと何のゲームを連想しますか???
任天堂から出たおなじみのキャラ「マリオ」達が活躍する「Dr.マリオ」「ヨッシーのたまご」
そして対戦ぱずるだまなど実にたくさんの種類があると思いますが、
今回はその名を一時的にかなり有名なものに築いた「ぷよぷよ」のお話です。
カラフルな5色の「ぷよぷよ」と呼ばれるスライムのような生物を4つくっつけると消える
今では定番となったシステムの先駆けとなったゲームです。
誕生秘話が結構面白くて、このぷよぷよに登場するキャラ達はもともとはPCゲームとして登場した「魔導物語」というゲームのキャラであり、それはパズルとは関係のないダンジョンRPGです。
その開発スタッフがお遊びのひとつで基を造り、そこ本格的に開発チームが携わって今の「ぷよぷよ」の原型が出来上がったそうです。ちなみに、5色登場する「ぷよ」は「魔導物語」に登場するキャラなんだそうです(敵キャラ?)
人気の秘訣は登場キャラの豊富さ、それぞれの可愛さ、またシンプルなシステムながら戦略や高いゲーム性などが関わっていると思われます。
ぷよぷよの一番熱くなる部分は連続で消していくいわゆる「連鎖」を決めることが出来たとき。
主に連鎖を決めて、相手におじゃまぷよという単独で消すことのできないぷよを送り込み
上まで積み上げさせて倒す、というのが基本の戦い方なので
たくさんのおじゃまぷよを送るために、皆日々連鎖を鍛えていく毎日でした。
(ガチのプロ同士の対決なんて人間業じゃないですよ・・・)
さて、全国的に大会も行いイベント参加者も上々。
キャラが豊富で個性豊かだったこともあり、グッズも売れ行き上場。
小さな会社だった「コンパイル」は、ぷよぷよをきっかけにかなりの大手になりました。
しかし、そんな成長したはずのコンパイルは、最終的に2004年に破産となり、事実上消滅してしまったのです。
なぜこんなにビッグコンテンツを抱えた企業が無くなってしまったんでしょうか???
1.コンテンツが明らかに不足
友達「なぁ、何か新しくゲーム買いたいんだけど、おすすめない??」
私「お前、ぷよぷよってゲームわかる??あれ超面白いぞ~!」
友達「あ~、面白いよねあれ。あれってどこのメーカー??」
私「なんだ、知らないのか、あれはコンパイルってメーカーだよ」
友達「へぇ~初めて聞いたな~。ちなみに他にどんなソフト出してるの??」
私「えっ・・・・・・?」
ってなるくらいに「ぷよぷよ」以外に有名な物がありません。
当初はシューティングやRPGなど、良質なゲームも出していたようなんですが
「ぷよぷよ」が大ヒットしてからは完全にそこに頼った経営状況でした。
「ぷよぷよ」のキャラが出るオリジナルの「魔導物語」は元々根強いファンが多い作品でしたが、「ぷよぷよ」のヒットにより掘り起こされさらにファンを増やしたものの
そこから全く別物のソフトのヒットというものが全くと言っていいほどありませんでしたorz
開発、発売したものは
ぷよぷよSAN
ぷよぷよ~ん
など
完全にぷよぷよ作品くらい。
(もしかしたら他にも出しているのかもしれないけど、今どう頑張っても思い出せないくらい記憶に薄いレベル)
しかし、小さな会社であれば
ぷよぷよはヒットをして売れ行きも好調なのだから、ぶっちゃけそこまで大きな問題でもないはずなんですよね。グッズも売れているわけだし。
そこで、大きな問題でもある二つ目の問題が登場するわけですが・・・・
2・半端じゃないずさんな経営
これがもう致命的にダメだったと断言してもいいやつです。
とにかく単純に言えば「めっちゃくちゃ調子に乗った」
です。
人って予想もしないくらい大成功を体験すると
脳みそがガバガバになるんでしょうね。
その点については自分もよくわかります。
(パチンコでまぁまぁ勝って調子乗って次ボコボコにされるとかね)
代表である仁井谷氏は、これからぷよぷよが益々ヒットしていくと確信し
・めっちゃ費用かけて新社屋建設
・いきなり新卒の社員を120人ほど採用する
・韓国に関連企業を作る
・宣伝などに異常ともいえる金額をかける
新卒120人は地味~に話題になりました。
あまり景気がそこまでいいとは言えない時代にドーンと120名も採用したのですから。
「若い力をフルに発揮して、新しい可能性を見出してもらいたい」
とのことでしたが、結局ぷよぷよにすがる事になったのでこれは悲惨な結果に・・・
あとは宣伝にかける費用がとにかく以上でした。
パッと見ただけで「あ、こいつ調子に乗ってるな」と分かるくらいに。
何かの番組でPRとして仁井谷氏が登場キャラ【サタン】のコスプレして登場したときがあったんですが、その衣装に100万かかっているあたり使い方が狂気・・・・
また突然のバイクのレーシングチームも設立していました。
レースクイーンにはこれまたゲームのキャラ「カーバンクル」をモチーフにした
黄色をモチーフにした衣装をこしらえて。
そしてトドメには、千葉の幕張の方に「ぷよぷよランド」を計画したこと。
イメージデザインをするだけで1000万くらい使ったらしいですよ・・・
(あくまでもイメージのデザインなのに)
これに関してはすでに行政と話がついていたとのことなので
もしかしてたら今完成していた可能性があります。
ではなぜ建設出来なかったのかというと、その前に会社が潰れてしまったからです・・
かなり資金繰りが厳しくなっていたコンパイルは、ある年の年末、「わくぷよダンジョン」を出して挽回を図る予定でした。
(ぷよぷよのキャラを使用したローグライクゲーム。不思議なダンジョン系)
当時、ゲーム界では不思議なダンジョン系が人気出してましたからね~。
毎回構造が変わるダンジョンにランダムなアイテムをかき集めモンスターを倒し攻略していくローグライクが流行っていたし、キャラも確立していてボイスまで入っているなど力の入れ込みようがすごかったです。
これなら年末商戦も戦えるだろう!
・・・・と、ファン達は思っていたのでした←
実際は年末に間に合わず延期。ようやく発売したのは2か月後くらいだったかな?
もうその頃には「そういやそんなのもあったな」くらいのレベルで忘れられていたし、
何より決算が出来ず(社員に給料なども支払えず)
コンパイルは倒産しました。
負債総額もゲーム会社として最強クラスの70億近くだった気がします。
さらに悲惨なのは、この70億の負債が当時最高クラスとして話題になりましたが、その数年後に同じくゲーム会社のSNKが300億を超える負債を抱えて破綻し、あっという間に空気になってしまいました。
わくぷよダンジョンはセガの全面的な協力のもとに発売されました。
セガがぷよぷよの実権を持ったものの、2002年の8月までコンパイルが使用しても良い、という条件を提示したので(確かコンパイルの破綻は98年春くらい)
コンパイルは社屋を移動、再建のため一から出直しという形でスタートしました。
しかしやはりどうしてもぷよぷよ以外に代わるようなゲームが開発できず、
さらには代表でもある仁井谷氏のワンマンぶりに社内からも不満などが一気に大爆発。
そしてなにも出来ないまま2002年にぷよぷよの知的財産権を失い
2度目の破綻、コンパイルは事実上完全消滅となったそうな・・・(突然のむかしばなし調)
これでもう復活は無いだろう、ということでバラバラになりましたとさ。
それからは仁井谷氏は完全に表舞台から姿を消していたのですが、近年なんか急にTwitter始めたと思えば、独自で「コンパイル〇」という会社を設立して
「にょきにょき」というソフトを販売したとか・・・・
ガッツあるのは素晴らしいのですが、もはやパズル的ゲームしか作れないのだな・・・
ちなみにぷよぷよはセガに移ってからぷよぷよフィーバーを開発して
やはり人気あるコンテンツだったこともあり、なかなかの売り上げを出していますね。
さらにソシャゲとしてぷよぷよクエストもリリース。
これもう少し時代が追い付いてたらコンパイルはこれで打開出来たのかもなぁと思います。
これ「しくじり先生」でやった方がいいくらい
テンプレな展開だな・・・
「開発した商品が大ヒットして完全に有頂天になっちゃった」だよね←